リフティングマグネットの歴史について
リフティングマグネットは、文字通り「磁石(Magnet)で、持ち上げる(Lifting)」装置です。リフティングマグネットは、「リフマー」・「マグネットリフト」・「磁石リフト」・「磁石吸盤」とも言われ、小学校の理科の実験で、磁石で砂鉄やクリップを持ち上げた事があると思いますが、原理はまったく同じです。
単純とも思える装置ですが、案外歴史は新しく、実際に開発されたのはここ100年ほどの事です。
磁石自身は紀元前から発見されており、プラトンやプリニウスの書籍に記載されていたり、中国でも方位磁針として利用されていました。
指導したり、また指導者を「指南」ということがありますが、これは紀元前の古代中国の方位磁石「指南車」から来ています。
これらに使われていた磁石は、自然に出来た磁石であったため、極めて磁力が弱く、金属を持ちあげるほどの力はありませんでした。
弱い磁石では方角すら示す事ができなかったため、時代はくだり、弱い磁石同士をこすり合わせる事で、より磁力の強い磁石を作る事ができるようになると方位磁針の性能も上がり、航海術に大きく寄与しました。
19世紀になると磁石の研究が進み、電気による磁石「電磁石」が発明され、20世紀に入りKS鋼・MK鋼など磁力を多く保持できる鉄鋼が発明されました。
近代の工業化で鉄鋼業が盛んとなることとあいまって、磁石による鉄の選別やリフティングの機械が発明されました。
現在は鉄素材で磁石だけでなく、プラスチック製の磁石も発明され、これらの「より小さく、軽く、磁力が強い磁石」との進歩により、リフティングマグネットなどの磁石を使った製品もダウンサイジングされてきています。
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